ダイエットをしようと思ったとき、「漢方は体によいと聞くけど、ダイエットにも効果あるのかな」と考える方は多いのではないでしょうか。実際に、ダイエットには漢方がよいという話もよく耳にします。漢方はダイエットにどのような効果が期待できるのでしょうか。

今回は、漢方のはたらきを解説しながら、ダイエットにおすすめの漢方や注意点を紹介します。

漢方でダイエットができるって本当？

漢方とは、中国から伝わった東洋医学をもとに、日本で発展した伝統医学です。天然の生薬を組み合わせて作られているのが特徴で、人間の体を巡る「気」「血」「水」の3つのバランスを整えて不調を取り除き、体質を改善するはたらきがあるといわれています。

漢方は本来、ダイエット目的で作られたものではありません。しかし、漢方で体質改善を図ることで、基礎代謝が上がり、痩せやすい体質になることが期待できます。

基礎代謝が上がれば、運動や食生活が改善し、ダイエットの効果が出やすくなるので、ダイエットをする際は漢方を取り入れてみるとよいでしょう。

ダイエットにおすすめの漢方5つ

漢方は2種類以上の生薬を組み合わせて作られており、200以上の種類があります。そのなかでも、ダイエットにおすすめの漢方を5つ見ていきましょう。

防風通聖散（ぼうふうつうしょうさん）

防風通聖散は、18種類もの生薬がバランスよく配合された漢方です。体内の水分循環を改善し、余分な水分や老廃物を排出するはたらきがあるといわれています。 そのほか、通便作用や利尿作用、発汗作用など、さまざまな体質改善に役立ちます。

防風通聖散は、カロリーの高い食事による肥満が気になる方におすすめの漢方です。ただし、冷え性や胃腸の弱い方が服用すると、体を冷やして下痢をしやすいため、使い方には注意が必要です。

防已黄耆湯（ぼういおうぎとう）

防已黄耆湯は、水分代謝が悪く、運動不足の水太りタイプの方におすすめの漢方です。6種類の生薬が配合されていて、胃腸のはたらきをサポートし、水分をバランスよく排出する効果が期待できます。

防已黄耆湯は、漢方のなかでも「水」のバランスを整えるはたらきがあるため、むくみが改善されて、見た目も引き締まります。基礎代謝の向上も期待できるため、運動効果を高めることにもつながります。

大柴胡湯（だいさいことう）

8種類の生薬を配合する大柴胡湯は、肝臓のはたらきをサポートして、脂質代謝の改善を図る漢方です。 脂質の代謝を促して、肥満や生活習慣病を予防するのに役立ちます。

また、肝臓のはたらきを改善すると、更年期にありがちなホルモンバランスの乱れやストレスによる脂質代謝を解消することにもつながります。更年期で太りやすくなったと感じている方、ストレスでついつい食べ過ぎてしまう方、イライラしやすい方にもおすすめの漢方です。

桃核承気湯（とうかくじょうきとう）

桃核承気湯は、月経トラブルをはじめとする血行障害の改善に有効な漢方です。 血行や便通のサポート、のぼせの改善が期待できる5種類の生薬から作られています。血行が促進されると代謝もよくなり、ため込んだ脂肪を燃焼するのに役立ちます。

生理中はホルモンバランスが乱れて代謝が滞り、脂肪を蓄えてしまいやすい時期です。そのため、桃核承気湯は生理中に太りやすい方、昔に比べて痩せにくくなったと感じる更年期世代の女性にもおすすめです。

当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）

当帰芍薬散は血行を促進するものをはじめ、6種の生薬で作られています。滞った血の巡りをよくし、代謝を上げて脂肪を燃やすはたらきを持つ漢方です。

当帰芍薬散は貧血気味で倦怠感があり、むくみやすい体質の方におすすめです。冷え性や生理痛の改善などにも使われているので、気になる症状がある方はぜひチェックしてみてください。

ダイエットに漢方を使用する際の注意点

漢方は西洋医学では対応できない体質によるもの、「未病」と呼ばれる不調にも対応できます。効き目が穏やかで副作用が少ないと人気があるものの、正しい飲み方を知ることが大切です。

ここでは、ダイエットに漢方を使用するときの注意点について紹介します。

自分の体質に合ったものを正しく選ぶ

漢方は体質改善を目的としているため、自分の体質に合うものを選ぶ必要があります。 太る原因や体格など、自分の状態に合わせて、適切な漢方を選びましょう。

ダイエット目的でも、安易な自己判断は禁物です。漢方にはさまざまな種類があり、本人の体質や症状に合うものでないと十分な効果が発揮できません。漢方の選び方に迷ったら、医師や薬剤師に相談しましょう。

また、通院中やほかの治療薬を常用している場合は、服用を始める前に必ず医師や薬剤師に相談してください。

用法と用量は必ず守る

漢方を使うときは、用法と用量を守りましょう。たくさん飲めば早く痩せられるわけではないため、自己判断で量を調整するのは 避けるべきです。漢方は用法と用量を守り、長く継続しましょう。

漢方同士にも飲み合わせがあります。複数の漢方を併用すると効果に影響が出たり、副作用が生じたりするリスクがあるので注意しなければなりません。

漢方を飲み続けると体質が変わり、思うような効果が得られないこともあるため、不安なときは医師や薬剤師に相談してください。

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まとめ

漢方は天然素材の生薬を組み合わせ、体質をよい方向に整えることを目的としています。直接スリムアップを目指す性質のものではないものの、痩せやすい体質にサポートする漢方を上手に活用すれば、よい成果が期待できます。

今回の記事で紹介したように、ダイエットに役立つ漢方はいくつかあります。自分の体質に合った漢方を選び、日常生活のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか。